2012年1月11日水曜日

旅支度64

  カルヴァンの教説の中に「二重予定説」があります。この世のできごとは、すでに神の計画の中の事象であり、救われるように運命づけられている人間も地獄に落ちる予定の人間も神の意志の中にあり、人間にはどうすることもできないと・・・。この教説は波紋を広げました。果たして自分は、天国行きか地獄行きの人間か。聖書(ことば)による信仰のプロテスタントは常に揺れ続けました。宗教改革で生まれたカルヴァン派も他の宗派を生み出すことになります。  キリストは人間の原罪を償うために磔になり、復活して、「再生」を果たしたといわれます。生まれ変わることで救われるという教えは、当時の人びとにとって衝撃だったようです。死んだ者が生き返る! キリストの再臨を待望するキリスト教への改宗者を増やしますが、時未だ成らずでした。  カトリック教会は、神と地上を繋ぐ秘蹟と呼ばれる祭式を採り行うようになります。その一つが「洗礼」です。水を用いる儀式は昔から清めの意味あいがありますが、カトリックの「洗礼」は生命の再生を意味しました。洗礼によって生まれ変わり人間は善き人として救われ、キリスト信徒を表す証となりました。洗礼は秘蹟の中では最も古いものになりますが、聖餐式などと共に一二、三世紀頃から教会の儀式として定式化していきます。   プロテスタントでは、キリストが洗礼を行ったという記述が聖書に無いということで、洗礼を行わない宗派もあります。続く

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