2011年11月21日月曜日

旅支度57

近 世  現在、カトリックの国々では集落の中に聖堂の建物を遠望できますが、十六世紀以降、プロテスタントに改宗した国々、地域を訪れると集落の中に埋もれるように建つ教会を目にします。  プロテスタントが、「神の住まい」と言われる聖堂を否定したことも関係しているかもしれません。宗教改革当時、プロテスタントは旧教となるカトリックの信仰のあり方を否定します。 そのプロテスタント(宗教改革)運動を起こしたのがドイツのマルティン・ルターです。新しい改革は、それまでキリスト社会を支えたゴシックの終焉も招きました。  キリスト教は常に異端を生み出してきた歴史と言えます。信仰という人間の内面と関わる行為を生み出した宗教が背負った重い荷物かもしれません。時代や場所が変わるといろいろな宗教、宗派を生み出していきます。  ベネディクト、クリュニー、シトー、フランシスコ、ドミニコ会などの修道会は自発的に起こっています。彼らの活動(実践)はバチカンの意に叶っていたのか、彼らの活動に障害はありませんでした。未だバチカンもそれほど強力ではなく、政治と宗教が両輪となって治まっていた社会。社会が複雑でなかったことも活動を容易にしたのかもしれません。彼らの活動は、純粋にキリストや使徒と共に在ることを求めた活動であり、世俗社会とは一線を画していました。個人の思いが修道院を創設させる一方で、聖書という同じ原典を共有しながら、時代が変わり社会状況も変化すると別の見かたが生じていました。続く

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