2011年9月10日土曜日

旅支度30


 名言を吐いたパウロは、キリストの教えをひろめるために孤軍奮闘した聖人の一人です。中世後期、ヨブ記やヨハネ黙示録と同様に新約聖書のパウロの書簡はプロテスタントに影響を与えています。その聖パウロは多くのカトリック教会で聖ペテロと共に描かれます。イタリア、ローマのバチカン市国のサン・ピエトロ聖堂の建物正面の外階段上り口にも、ペテロは鍵を持ち、パウロは剣を持った像で立っています。
 西欧の国々を巡るとどこでも教会を目にします。特にカトリックの国(イタリア、スペイン、フランス)を訪れると教会の建物は今でも旧市街と呼ばれる街の中心にあります。建物の大きさ、内外の装飾の素晴らしさに、しばし「・・・」。最初の頃はそうでした。初めて観た時は驚きの連続でした。誰もが同じ印象を持つと思います。信仰を持たない人でも芸術作品として。建物の大きさ、歴史、内外の装飾などに驚かされます。そのような教会建築はゴシック様式と言われる時代の教会に多く見られます。鐘楼の塔は高くなり、ファサードと呼ばれる教会入り口の装飾、内部の彫刻、壁画に聖人や聖書の世界が描かれています。ゴシック時代の教会は、多くの人が文字の読めなかった中世時代、聖職者の読み聞かせる聖書の世界をより一層視覚的に人々に聖書の世界を伝える役割を果たしました。続く

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