2001年を境に激動の世界(私にとって)に入り込んでしまった今日この頃。1980年代、90年代,そして2000年代の私の旅のあとさきを伝えていきます。 http://tabinoatosaki333.at.webry.info/もご覧下さい。
2011年8月25日木曜日
世界の労働力
ロシアから帰国して、現地ガイドと話した事が引っかかっています。ロシアの若者が徴兵制で徴募され軍隊生活をおくりますが、その後、地元に戻っても職が無い。高等教育を受けようにもソ連時代のように皆がそれなりの教育が受けられた時代と違い、教育を受けるにも金がかかる状況では教育格差、賃金格差は出てきます。ソ連時代よりも現在が収入の減っている人の方が多いようです。
現在の市場経済は安い商品を大量に供給できる企業が主流です。90年代、西欧では家族経営が主だったブランドも身売りしたり、買収されたりで組織が変わっています。企業は安い商品を供給するために安い労働力を求めて右往左往しています。金融経済に振り回されながら。そのような状況で、ロシア、USAそしてEU(欧州)には近場に安い労働力が存在しました。ロシアには旧ソ連時代からの独立国が周辺に在って、そこから労働力がロシアの大都市に流れ込んでいます。自由の国、USAにも裏庭と言われる、南米、カリブ海諸国からたくさんの安い労働者が遣ってきます。EU圏内にもアフリカや中東諸国から労働力がたくさん遣ってきます。中国には自国にたくさんの労働力を抱えています。それらの国々では安い商品を供給、消費できる社会を簡単につくれました。戦後、いろいろ意味で平均化されていた日本だけが、90年代の経済バルブが弾けて路頭に迷った感じです。安い労働力を見つけるにも時間がかかり、商品を消費するにも日本全体が消費者になるしかありませんでした。長引くデフレです。安い商品を供給してそれらを消費する多くの人たち、そして今まで通り高い生活水準を保っている人たちが共存している国々と、平均化されていた日本では状況が違いました。
ロシアの職の無い若者の思いは、先日のロンドン市内の暴徒と同じ思いかもしれません。もともとの自国民を労働力として使えずに、自国民よりもっと安い労働力を利用せざるを得ない現在の経済。世界全体が同じ状況です。
どうしてもこのままハッピーエンドで終わりそうには思えません。
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