2011年8月16日火曜日

旅支度23

  ここで冷戦終了前の旧東欧の話を。
旧東欧時代の七カ国を添乗した際に現地ガイドと話しました。ルーマニア以外のガイドは誰一人としてソ連に好意を持っている人はいませんでした。大戦終了直後は社会主義の平等社会に希望を託していたのかもしれませんが、現実は自由の無い社会で半世紀近くも生活していた人々の不満は溜まり続けていました。五十年代、六十年代には、ハンガリー(ハンガリー動乱)とチェコスロバキア(プラハの春)で市民革命が起きています。ソ連も心底嫌われていました。共産主義社会では党員になれなければ国(共産党)の為に尽くすだけの労働者です。それ以外の何者でもありません。そのような国民は無表情で生気も無く機械のような生活を送っているように見えました。八九年、東西冷戦終了の象徴となったベルリンの壁崩壊によって確かな自由を手にした東欧の人々の喜びは我々には想像出来ない出来事だったと思います。
九十年代には欧州が経済でひとつにまとまりつつある中で、中東のイスラム圏諸国には別の世界がありました。続く

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