2011年7月1日金曜日

中国人

 以前読んだエッセイに邱永漢さんの「中国人と日本人」という本がありました。双方の人間を「商人」「職人」気質で論じている本です。九〇年代だったと思います。どういった縁で読んだのか忘れましたが、日本のバブルが弾け経済が下降線、日本からの中国への旅行者も増えて国営旅行会社一社だけの体制から民間の旅行会社が生まれ競争が始まった頃です。中国が注目され始めて、本のタイトルに惹かれて読んだのだと思います。
旅行者だけで無く、日本から中小の企業が中国で一旗あげようと進出して撤退した話をお客様から良く聞きました。日本人からすると「上手い具合に利用されただけだった」と。経済的に自由化されつつあった当初は中国でのビジネスは厳しかったようです。話を聞いて、資本のある大企業しかやっていけないような気がしました。
 今回の中国新幹線の特許問題が報道されて、「日本人と中国人」を思い出した次第です。世界で商売の上手いのはユダヤ人、アラブ人、中国人、日本人といわれます。もの造りで優秀な日本人も商売になると中国人に敵わないようです。金になりそうな事は早くから手を打って商売にする中国人。恐らく、彼らには高速走行の新幹線の素晴らしさより、それが生み出す金蔓が一層大事なのです。外国の技術も投資も金蔓にすぎないようです。

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