2011年12月17日土曜日

旅支度61

スイスのジュネーブでは、ジャン・カルヴァンが彼の教説を実行していました。聖書に基づいたカルヴァンの教説の実践は厳格をきわめます。当初、ジュネーブ市民は余りの厳格さに拒否反応を示し、カルヴァンを追放します。カルヴァンは政教一致の市民社会を構築しようとしていました。規律正しい、秩序ある社会です。その為に、規律に違反したり、秩序を乱す市民には厳罰で対処しました。  カルヴァンの求めた社会は、プロテスタント市民の信仰共同体であり、信仰を社会全体に行き渡らせ市民を信仰共同体の一員として迎える為には厳格な規律や秩序が必要でした。それまで、世俗化した信仰生活に慣れ親しんだ市民にとって、カルヴァンの要求は厳しいものでした。そして、カルヴァン追放。しかし、カルヴァンがジュネーブを追放されていた時期の道徳的退廃が、再びカルヴァンを必要としました。 中世の小太りした修道僧のだらけた社会から、禁欲的で精悍な修道士のような社会へ。まるで、ベネディクト、シトー会修道院のような社会の構築をジュネーブで試みていたかのようです。続く

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