2011年9月12日月曜日

旅支度32


 人生を謳歌するイタリア人の性格を表現する時に次のような言い方をする事があります。イタリア人の人生は「マンジャーレ、カンターレ、アモーレ」と。「食べて、歌って、恋して」とシンプルな事です。イタリア人にとって人生で総て大切なものです。一度きりの人生、食べて、歌って、恋して愉しもうという事でしょうか。特に南イタリアを旅行するとその生活の雰囲気を愉しめます。
愉しみより遥かに多い辛い人生(労働)を紛らわすかのようなイタリア人の人生観が有っても不思議ではありません。意識して愉しんでいるようです。まるで中世時代の生活の裏返しのように人生を意識的に愉しんでいるように見えます。
労働よりマンジャーレを生きがいにする国、イタリアでは食べる事にこだわった歴史が、旅行者にも評判の食文化を育んだのだと思います。西欧の他の国を旅行しても、料理が美味しい(評判の良い)と言われるのはカトリックの国々です。一方、日本人旅行者に不評なのがプロテスタントの国々です。面白いです。中世末期に現れたプロテスタントの食と労働への関わりかたはカトリックとは違います。また、中世初期には既に世俗の労働観とは違う世界がありました。みずから進んで聖書に従う生活を選んだ人びとの世界です。キリスト教の修道院です。 続き

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