2011年7月12日火曜日

旅支度11

 第二次世界大戦後、アメリカ合衆国に占領された日本はすべての面で合衆国の影響を受けてここまで遣ってきましたが、八〇年代の西欧には、「我々は合衆国とは違う」という雰囲気がありました。ところが九〇年代になると変わっていきます。私が西欧で感じていた事の一つが西欧の国々の「閉鎖性」です。八〇年代、日本は合衆国に執拗なぐらいに「閉鎖性」を叩かれ、経済面も文化面も急速に合衆国化されてしまいましたが、西欧の国々を訪れてみて改めて西欧の「閉鎖性」を感じました。自分達の遣り方を頑なに守り、合衆国の言うなりにはならない、という強い思い。当時、合衆国が日本に対して強行に主張した「自由化」も西欧では聞きませんでしたし、合衆国も遠慮していたように思います。西欧の「合衆国とは違う」と言う思いを支えていたのは長い歴史です。歴史が彼らの精神を作り、建物を残し、街を残しました。どうしようも無い事ですが、合衆国には西欧の歴史が無い。歴史は西欧の拠りどころです。合衆国とは違い、これからも引き継がれてきた歴史は大切に残されていくと思いますが、大戦中の世代とは違う世代の人たちが増え、考え方も変わり合衆国を抵抗無く受け入れる人たちも増えています。当初、反対されていたマクドナルドを至るところで見かけるようになり、たくさんの若者が利用しています。都市では祝祭日には街の広場で見られた移動遊園地が以前に比べれば減ったようです。コンピューターやテレビゲームの普及で室内で過ごす時間が増えているのでしょうか。続く

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