スペイン・アンダルシア州のグラナダにアルハンブラ宮殿が在ります。ナスル王家の夏の離宮として造られました。711年に北アフリカからジブラルタル海峡を渡り、3年余りでカンタブリア地域を除くイベリア半島をイスラム化して700年近くスペイン各地で城を造りました。しかし、13世紀前半にはカトリック勢力に国土回復されアンダルシアのコルドバ、セビジャを失いました。そして、残ったのがグラナダのナスル王朝です。1238年設立の王朝が1492年のアルハンブラ開城まで続きました。その期間に造られたのが現在の観光の目玉になっている宮殿、庭園です。
80年代頃から観光地化され、多くの観光客を呼び寄せました。その分、宮殿、庭園にも手が加えられ立派になっていきました。1800年代、ワシントン・アービングが訪れた頃のアルハンブラは廃墟同然でした。そのような施設が、ナスル王朝によって生活が営まれていた当時と同じように生き返っている感じです。庭園では多くのプロの庭師が庭園の管理をして、季節ごとの花々が咲かせ、宮殿も改修されていきます。今回、訪れて、ナスル王朝華やかし頃の雰囲気を感じることが出来ました。華やいでいます。その華やぎの一つがアラブ人(イスラム教徒)の美的センスかと思います。宮殿の建物の素晴らしさも有りますが、庭園の自然の造形に見せる感覚は素晴らしいと思います。砂漠の民故に生まれた美的センスです。オアシスを思わせる緑と水の使い方。植物の色使いと流れる水。そして流れる水には音が加わります。視覚と嗅覚と聴覚を愉しませるオーソドックスな現代アートです。
訪れるたびに楽しめるのがヘネラリフェ庭園です。
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