今月中旬はスペインにいました。何回行っても、魅力的な国です。700年以上、イスラム教徒の住んでいた半島。
ピレネーを越えてフランス領内まで侵入したことはありますが、フランク族に敗れてイベリア半島に引き返しています。西欧の国々の中では特異な国です。1980年代中頃まで、「ピレネーの向こうはアフリカだ」などと揶揄されたこともありました。アフリカから入ってきたイスラム教徒はピレネーの東側のキリスト教徒にとっては未知の人々に違いなかったのです。しかし、彼らはその後、西欧に多くの文化、技術をもたらしました。哲学、天文学、錬金術など。
建築にしても、西欧のロマネスク様式といわれる建物が作られるのが10世紀頃。交差ボールトの天井が現れるのはその後です。コルドバのメスキータには既に装飾の施された交差ボールトの天井が使われていました。ゲルマン民族の侵入により崩壊したローマ帝国が、ゲルマン民族によってようやく落ち着きを取り戻し、新しい西欧を築き始めようとしていた時期、アフリカのイベリア半島は西欧も羨む一大文化圏を形成していました。
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